GHSの実態

世界統一化が難しい世界統一規格

 

GHS基礎のルールに従っていれば、世界中同じ規格に統一できるので、国ごとに言語が違っても、SDSやラベル作成はそれほど苦にならないと思えますが、実際は各国が国連勧告(GHS)を取り入れて、法律や規格に展開すればするほど、どんどん複雑になっています。

これはGHSが強制規格ではない為、各国の法律運用が微妙に異なることが主因です。
この複雑さを生む一つの原因が、ビルディングブロック方式といわれるアプローチの仕方です。
すなわち、各国の法規制や固有の事情により、危険有害性の区分選択が各国政府にゆだねられています。



更に、混合物に対する一部の危険有害性の分類に関しては、カットオフ値が高い値と低い値の二種類が用意されており、どちらを選択するかは、政府当局に委ねられています。
これ等の事が、各国のGHS実施を統一規格からは乖離したベクトルに向けているわけです。



また、ラベルに対する各国の法規の中に記載されている独自の要求があります。これらはGHSには規定されていない要求事項です。



それでは、各国が定めているGHS実施のスケジュールを見てみましょう。通常、各国の法律では、物質(単一ケミカル)と混合物に分けて実施スケジュールを決めています。
i.Bou-GHSを使用されるユーザー様は、混合物のケースがメインだと思いますので、混合物に対する各国のGHS実施スケジュールを見てみましょう。